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【脳内整理】文豪少年!〜ジャニーズJr.で名作を読み解いた〜「外科室のある洋館」を観た

 

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結局、昨日の文豪少年!「外科室のある洋館(少年忍者/織山尚大主演)」を数回観てから寝たのだけど、どうしたってなかなか今作に理解が追いつかず何も言えなくなっているのは自分が原作脳に偏りすぎてるからなのだろうなあ

 

頭の中だけでは上手く整理できなくなったが故のただのアウトプットです

(ふせったーに載せたものをそのまま持ってきました)

 

 

原作では貴船伯爵夫人と高峰の積年の恋が、今作では高峰の父⇄貴船(→?ここほんとわからん)←高峰になっているところからまず…貴船は高峰本人を愛していたの…?わからない。

 

文豪公式ツイートでも「"高峰の"究極の初恋」とあるから、「外科室のある洋館」では高峰と貴船がお互いに思い合っているとは初期設定されていないのだろうなとわたしは思った。

 

また、泉鏡花が描いた外科室では不倫や浮気などは当時の倫理では絶対的な罪で(今ならOKと言いたいわけではない)死ぬまで隠し通さなければいけないこととして描かれているけれど、外科室のある洋館では既に高峰の父が浮気をして家庭が崩壊している(しかもそれに噛んでいるのが高峰が一目惚れした貴船)ところから描かれているのがもう全くもって異なるので、原作から切り離して作品を楽しんだほうが純粋に楽しめるのかもなとか思ったりもした。
結局切り離しはできなかったけど


鯨岡監督と井上さんが昨日のツイートで「現実と妄想が入り混じる」としていたけど、わたしは洋館のなかに設けられたビニール一枚で隔てられた"外科室"内が妄想の世界なのだろうと思って見ていた
ビニールを通して見せられた曖昧にぼやける外科室内の画がやけに美しくて、まさに異世界だった


現実と妄想が入り混じっているならもうこれ以上に解釈することはないなと思っていたんだけど、せっかく井上さんが解釈はいくらあってもいいと仰っているのでもう一つの視点からも見てみたくなった

 

文豪公式が「目線」に注目してください。と呟いていたことから、わたしの解釈で(ここ太字ですよ)泉鏡花の「外科室」ではなく、文豪少年!の「外科室のある洋館」として物語を読み解いてもみた

 

■はじめて視線を交えたシーン
・原作では貴船伯爵夫人と高峰のお互いを認めたシーンはその瞬間に2人が恋に落ちる描写とされている

 

・今作の初めて貴船と高峰が視線を交わらせた窓越しのシーンは貴船にとっては単純に「愛した高峰院長の息子」としての認知?(はじめは生徒の1人として認めただけ?と思ったけど、そのあとの洋館内で初めて会話を交わすシーンですでに高峰の息子であることを認識していたからもう窓越しのシーンでは高峰の息子であることはわかっていたのでは)

 

・高峰は貴船に恋に落ちるような感覚を覚える(このシーン2度繰り返されているが2度目の描写が本当に美しい。はじめ真っ直ぐに貴船をとらえていた瞳がどんどん甘く儚い情の滲んだ視線に変わっていく。ナオすごい……し、その感情のクレッシェンドに合わせてBGMの月光もどんどんクレッシェンドしていくの、こちらの鼓動まで早くなっていくように思えた)

 

■14分過ぎの洋館でのシーン(高峰はまだ中学生)
・このシーンでは常に貴船の視線と高峰の視線が交わらない。窓の外を見て話す貴船の背に注ぐ高峰の視線。
→高峰から貴船への一方通行?

 

--「目線」からの解釈ここまで--
このことから私は今作では貴船と高峰の間には高峰からの一方通行の愛について描かれているのかな〜と思ったりした
けどこのあとからいろいろぼろぼろと考えてきたことに矛盾が出てきて結局この観点からはなにもわからなかった

 


■14分過ぎの洋館でのシーン(高峰はまだ中学生)
・「就きたい職業に就いても、それだけでは食べていけない人もいる」の直後に流れる高峰が線路越しに見た貴船と高峰父の密会回想シーン
→言葉の直後にこの回想シーンが流れる=貴船と高峰父は愛し合っていたわけではなく、お金が絡む愛人関係だった?
→胸に秘めていたのは高峰だったのか?と思い直す

 

■18分手前〜
・「貴方でなければいけないの」「私は貴方のお父様と…」「恨んでもいいのよ」
→……ちょっと理解できない。麻酔をかけると言ってはいけないことまで言ってしまいそうだからと言って麻酔を拒否した貴船の"言ってはいけないこと"はその話なのかと思っていたのにここで話してしまうのか…

 

・それではなぜ執刀に愛したはずである高峰の父ではなく高峰を選んだのか
→やはり人知れず高峰を愛していたのかとも思ったけど「私は貴方のお父様と…」(合コンのシーンで高峰は父の浮気で両親が離婚していると語るシーンがあったからその浮気相手が貴船だったのかな)って言っているから、家庭を崩壊させた償いとして高峰にメスを握らせたのか?と思ったりした
→カルテもレントゲンも用意されていたのに高峰は見ようともしなかった=すでにこの時もう、貴船は自分が壊してしまった家庭のなかで色んなものを背負い生きる高峰の手によって生涯を閉じたい、それが償いであると願っていることを理解していた?
貴船は2度「これが私に与えられた使命」といった言葉を溢すけど、この使命を貴船が果たしたところで残るのは免許もなく人体を切り裂いた罪を被った高峰だけなんだよなあ…
(原作だと高峰も後を追うように死んでるけど、今作ではメスを入れるところすら描かれていないからそのあと2人がどうなったのかわからないんだもんなあ)

 

・高峰の「忘れられるはずありません」に嬉しそうに微笑んだあと眉を顰めるように震えながら目を閉じる貴船
→原作では貴船伯爵夫人が恋心を激情に任せて吐露しながら高峰がメスを握る手に自分の手を添えてそのまま胸の奥深くまで切り裂き「あなたは私を知りますまい」と残して息絶える。息絶えた後の夫人に「忘れません」と残す高峰だが、今作ではメスを入れるシーンは入っていない(コンプラ的に仕方ないのか…)から結局貴船の本心が何一つ見えなかった
どうしよう普段の私ならここで「そこに愛はあるんか?」ってツッコミいれてる

 

→ブックカフェのシーン、一年後にもう一度来ない?というマスターに今読みたいのだと話す青年。読了後、青年は外科室から「やっぱり僕、彼女を迎えに行きます」と話すがそこでもマスターは「危険な領域に足を踏み込むことになるかもしれない。幸せになるかどうかもわからない」と漏らす
現実界の青年も倫理的に良しとされない恋をしていたが駆け落ちすべきか迷う中入ったブックカフェで外科室と出会い決心がついた?

 

 


原作とは違ってクライマックス(高峰と貴船が死を選ぶ最期)を見せないことで、現実の青年にこれから先待ち受けていることを視聴者に委ねているようにも感じた

 

これまでの文豪作品でも社会風刺がところどころに効いているなと思っていたけど(少年院・SNSでの社会的抹殺・政治などなど)今回も外科室という名作のなかで、貴船が言った「就きたい職につけても、それだけでは食べていけない人もいる」に現代への皮肉を痛く感じてしまったな。


これまでで一番読み取れない作品だった。
井上さんがツイートされていた「解釈はいくらあっていい」の言葉に救われた。
いまのわたしにはここまでの解釈しかできないけど、それでいいのかもしれない

 

画自体はとても美しかったけれど、原作の「まさに純愛」という美しさからは大きく逸れた怖さすら感じてしまった
考えることを放棄したくなるほどの画の強さが脳味噌に焼きついた作品でした

 


おわり

 

 

(追伸)いつか第6話「稲荷坂の秘密(少年忍者/深田竜生主演)」についてもまとめて残したいと考えています。